黒衣の牙狼
「片目じゃ運転危ないしな」

「す、すいません」
申し訳なさそうに頭を下げる

「気にすんな」
男の単車にまたがると、弐社は
「家、どっちだ?」
とたずねた







「ありがとうございました」
家の前で男が頭を下げた

「一応、明日にでも医者行っとけよ?」
弐社はバイクを車庫に入れてやると
「なぁ、駅どっちだ?」
辺りを見回した

「すぐそこなんで案内しますよ」

「そか?悪ィな」

― 月明かりの道を歩き始める2人

薄紫の道に、影が長く伸びていた

「・・・弐社さんて彼女いるんすか?」

「は?」
突然の質問にたじろぐ弐社
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