黒衣の牙狼
「久しぶり」
弐社は軽く手をあげた

その表情は再会を喜ぶものではなく、突発的に起きたこの事件に対する怒りをにじませている

「ユーシンは?」
奈美がチラリとガラスの向こうの店内をのぞいた

客の姿はなく、店員が1人で商品を陳列している

「まだだ・・・じきに来ると思うよ」
言いながら、弐社は竹虎を見た
「・・・・・・・・・。」

「なんだよ?」
ポケットに手を突っ込み、ぶっきらぼうに相手を見る竹虎

「こらこら!失礼でしょ」
奈美が子どもを叱る様に、頭をペンペンした
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