黒衣の牙狼
(・・・・・・・・・)
ぼやけた視界の中に、複数の男が見える

目に獣の光をたたえ、自分を見下ろしているのがわかった

胸元に相手の指が食い込む

ビリッ!

洋服の裂ける音が耳の奥で響く

自分の身に、これから何が起ころうとしているのかに気づく

(・・・・・・・・・くっ・・・)
相手を跳ね退けようとするが、身体にチカラが入らない

薬のせいだろう

ねっとりとした重さを感じる

男たちが、我先にと身体をまさぐり始める

(や・・・やめろ・・・)
叫ぼうとするが、声すら自由にならない

意識が朦朧とする

服がはぎ取られた

― このまま自分は・・・
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