黒衣の牙狼
「・・・・・・・・・。」
姫神と呼ばれた男は、緑のカラーコンタクトを入れた目で、その“合図”をチラリと見た

「ゴメンね。ちょっと席外すよ」
猫なで声で2人の美女に言うと、立ち上がった

踊り狂う人々を通り抜けるあいだ、みんなが姫神に声をかけてくる

― このクラブは今夜、姫神が統括するチーム「ダイアナ」で貸し切られていた

「楽しんでる?そりゃ良かった♪」
姫神は女の子たちに答えながら、モヒカン頭のパンクロック男の後に続く

人混みでも、彼の髪が飛び出ているおかげで見失う事はない
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