黒衣の牙狼
ひたいを押さえ、立ち上がろうとする弐社

― 目の前に相手の足が見えた

鏡也のローキックが顔面に激突する
「ッ!!?」
弓ぞりに後ろへ倒れ込んだ
すさまじい連撃に、防御が取れない
攻撃の威力がそのまま体に浸透する

コンクリートの床に、大の字に横たわる弐社
(つ・・・強い・・・)

二度にわたる頭部への打撃

意識が朦朧とする

平衡感覚がなくなり、立ち上がるのも難しい

ボクサーがKOされた時も、こんな感じなのだろうか

(・・・・・・・・・。)

視界に鏡也が入ってきた

自分を見下ろしている
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