黒衣の牙狼
こぶしが火我の腹にめり込む
「・・・ぐォッ!!!」

かがんだ背中に強烈な肘打ち
「・・・ッ!!」

ガクリとよろめきながら、殴られ腫れた目でユーシンの姿を捉える

右手にチカラを込め、アゴに狙いを定めた


― アッパーが空を切る

(・・・よけたッ!?)
実感する間もなく、火我の顔面にユーシンの蹴りが炸裂した
「ッ!!?」

ヒザをつく

視界が白く染まってゆく

(こッ、これほどとは・・・)
朦朧としながら、火我は地面に崩れ落ちた

それを無表情に見おろすユーシン

喧嘩とも呼べない、一方的な結果に終わった
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