黒衣の牙狼
長い黒髪が、そよ風になびいて微かに揺れている

ユーシンがその男に気づく

相手もまた、ユーシンを見た

向かい合う3人の距離が縮まってゆく

10メートル・・・

5メートル・・・


ユーシンと黒髪の男がすれ違う

― 一瞬

2人の間の空気が変わった


風が木の葉を散らせる



カツ、カツ・・・

お互いに、何事もなかったかの様に歩みを進める

「さぁて、いよいよメイン会場だな。からかうぞ〜♪」
ユーシンは満面の笑みを浮かべた
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