泣き虫なあたし。
「もし、もしだけど、俺と闘ってくれるなら、明日ここに来てほしい。ただ、それは、俺が死ぬときを看取れる覚悟をしてから。好きなんて言葉だけじゃ俺と一緒にいれないから」
私の目を見て、暁兎は確かに、しっかりと言った。
私にはその覚悟は出来ていたつもりだった。
ただ、まだ中学生の私には、死ぬということの重さが分からなかった。
いざ暁兎から
『死ぬ』
という事実を聞いたとき、どうやっても涙が溢れてきた。
だから私はそのとき、静かに頷き、病室から出ることしか出来なかった。