泣き虫なあたし。
「窪川、今までありがとな」
華兎が鼻を啜りながら言ったけど、
今までありがとうってなんだろう。
私、これからも暁兎と一緒に生きるよ。
『何言ってるの…華兎…暁兎はまだ生きているじゃない』
「窪川…?」
『暁兎は死んでないよ。また、朱鳥、ありがとうって言ってくれるもん』
「窪川…兄貴はもう…死んだんだよ?」
嘘。嘘。嘘。
そんなこと信じない。
『暁兎はっまだ生きているの…生きているの!』
私は病室を飛び出した。
信じない。
華兎の嘘つき。
嘘つき。