泣き虫なあたし。
結局、自分の家しかくるところはないのだけど。
皆、本当に何言ってるんだろう。
『暁兎が…死んだわけ…ないじゃないの…』
死んだわけ…
本当は自分でも分かっているんだ。
暁兎がもう、この世界にいないこと。
だんだん冷たくなっていく手が、暁兎が離れていくようで怖かった。
完全に温かくなくなったとき、
もう、暁兎じゃないんだって思ってしまった。
でも、そんな自分が嫌で。
暁兎と話せなくなったことを認めてしまっている自分が嫌で。
現実から目を逸らしてしまった。