泣き虫なあたし。

私は黙って頷いた。

私もそう思ったってこともあったけど、

何より華兎の目が怖かった。


「今もさ、大変だったんだ。お袋と親父は放心状態だし、なのに記者は沢山くるしで…」


華兎の顔には疲れが見えていた。

丁度テレビでは暁兎のニュースをやっていた。


《先ほど、女優、堺美沙さんにお話を聞こうと試みましたが……》
ブチッ…


華兎がテレビを切り、家の中は静寂につつまれた。


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