泣き虫なあたし。
《生まれたときからさ、ずっと一緒だから気づいちゃうんだ》
ははっと苦笑いをした。
《あいつが朱鳥を好きなことなんてすぐ気づいたし、キス…したのも噂で知ってた》
《だけど、俺、勇気なくてどっちも選ぶだなんて出来なかった》
《ごめんな。勇気のない俺で、俺のせいで辛い思いさせて》
《でも…一つ言わせてくれ。俺は、二人とも大好きだったから》
《それじゃあ、またな》
画面がまた暗くなる。
そして私は、それと同時に走り出していた。