泣き虫なあたし。
複雑。
「朱鳥!!!」
教室に戻ってぼーっとしている私に走ってきたのは水樹だった。
『どしたの?そんな急いで…今日なんかあったっけ?』
私がそう言うと水樹は首を横にブンブンと振って、
「違うよ!!華兎君とキスしたって本当!?」
あー…やっぱり…
そりゃ廊下だったしね…
いくら人少なかったとはいえ何人か見てたか…
『うん…まぁ…』
「なにそれ!?なんで教えてくれなかったの!?華兎君と付き合うなら付き合うって…『付き合わないよ?』
私が平然と言うと水樹は「へ…?」といったような顔をして、唖然としていた。
『無理矢理されたの。断ったら。』
「は…?え…断ったの?」
「うん。そーなんだよね…こんないいおとこが好きだって言ってんのにさー♪まっ俺諦めないけどね!」
華兎…どこからでてくるんだよ…こいつは…
つーか聞いてんなよ!!
でも、そんな明るい華兎のお陰で、あんまり気にしなくて済んだのかもしれない。