泣き虫なあたし。
人の家って
いくら来ても落ち着かないんだよね…
華兎と私は
特に話す話題もなく、
私はキョロキョロしてて、華兎はずっとテレビを見てた。
そして、戸棚に置いてある写真が目に留まった。
それは家族写真で
とても幸せそうだった。
「あぁ…それ…唯一家族全員で写ってる写真なんだ…兄貴が写真嫌いだからさ…」
兄貴とはもちろん暁兎君のことで、今とは想像が出来ないくらいの笑顔だった。
ちょうど華兎が小学生ぐらいの写真だった。
お父さんはすごく優しそうなひと。
お母さんはすっごい美人だった。
そして何故か見たことあるきがした。
『華兎のお母さん綺麗だね…と言うか…どっかで見たことあるような気がするんだけど…』
すると華兎は笑って、
「そりゃあるんじゃない?けっこう有名な女優らしいし。萩原美沙(はぎわら みさ)って知らない?」