泣き虫なあたし。


『ねぇ…なんで暁兎君はそんなに性格すぐ変えられるの?』


私がそう言うと暁兎君はちょっと考えて、


「なんていうか…この学校が撮影所っていうのかな?疲れるけどさ、演技してるの楽しいし。おふくろに言われて始めた学校の演技だけど、結局最後にどうするか決めたのは俺だしね…朱鳥?」


話を聞いてるうちに感心してしまった。

私と同じ歳でここまで出来るんだということに。

しっかりと
考えて生きているんだということに。


『な…何でもないよっ………てか今朱鳥って呼ばなかった!?』


「だってー窪川サンとか朱鳥ちゃんとか長いんだもんーだから朱鳥…ダメかな…?」


そう言って
ニコニコ笑っている暁兎君を見たら断ることなんて出来なかった。

『い…いけど』


暁兎君は余計笑って明るくて。



私はそんな暁兎君をだんだん好きになっていったんだ。


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