泣き虫なあたし。
私にしては必死に、
【知りたい】
そう願った。
だけど、
「ごめん…俺からは話せない。ごめん」
暁兎が言った言葉は消えそうな声で、私に知らせまいという言葉だった。
それだけ言うと暁兎は逃げるように幼稚園を出ていき、
知ることも出来ない私はただ、立ち尽くしていた。
「朱鳥…やっぱり無理があったわね…ごめん。私から全てを話すことは出来ない。ただ、あなたが知らなきゃいけないこと。それを話すから聞いてほしい」
静かにゆっくりと、
まるで自分の園児に話すように絵里さんは話し始めた。