泣き虫なあたし。
「萩原暁兎、萩原華兎。この二人はね?私の弟の子供なのよ。ほら私の名字萩原でしょ?気づかなかった?」
そういえばそうだ。
普段絵里さん絵里さんだから気づかなかった。
「事の起こりはそう。朱鳥のかくれんぼ事件があった日。丁度二人はこっちに遊びに来ていたの。実はあの時、暁兎が迷子になっていてね?それで朱鳥を見つけたって訳。そう。かくれんぼの彼は暁兎だったの」
暁兎が…そうだったんだ。
好きになれた彼が初恋の相手。
こんな幸せなことがあるんだろうか。
でも絵里さんは
それを喜んでいるというよりは、淡々と語っているだけだった。