泣き虫なあたし。



『ありがとう…華兎…』



私は涙を拭って、暁兎のいる病室に入った。



暁兎は、自分に入ってくる点滴を眺めていた。



『何してんの?暁兎っ』




暁兎は私に気づいたように、



「あっ!朱鳥…今日はごめん…あとありがとう。暫く入院することになりそうなんだ…ほらっ!検査入院って奴!」




『…もう…誤魔化さないで…』



暁兎が教えてくれないなら、私が聞き出す。



私から動かなきゃ…きっとなにも変わらないから。



でも、暁兎はさっき華兎がしたような複雑な表情をしている。




『なんで…なんで私には何も言ってくれないの!?私暁兎の力になりたいよっ!教えてよっ暁兎のこと……病気のことも…』




「ごめん…分かった…教えるよ…」




< 95 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop