踏切を越えれば
「なんか言えよ」

阿部孝裕は、また私の目を見つめる。


「なっ、何すんの!!!」
やっとでた言葉。


さっき私はキスされた…らしい。


「何ってキスだよ。」
開き直ってるのか、笑いもしない阿部孝裕。

「なんで……こんなことする…の…??」
ダメだ、また涙が溢れてきた。

この涙は阿部孝裕にキスされて嫌だったから?
嬉しかったから?


「…橘にされたんだろ??だから……」
言葉を濁す阿部孝裕。
何か困ったことがあると
頭を掻く癖…

まだ癖だったんだ……

3年も経てば変わると思ってた。


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