踏切を越えれば
「別に、なんとなく。つーかもう5時過ぎたぞ」
阿部孝裕は時計を顎でさす。

「あっ、本当だ」
急いでコートを着る。




「…なんでいるの?」
鞄も背負ってるのにまだいる阿部孝裕に小さな声で聞く。

「別に、送ってやろうとか思ってねーし」

「た、頼んでないし!!」
阿部孝裕ムカつく。
私は一人で保健室を出て
下駄箱まで走った。


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