踏切を越えれば
可愛く言えない私に後悔しながらも
阿部孝裕を無視し、横をそそくさ通り過ぎる。




私の少し早歩きな足音と
後ろから誰かわかる足音の二つの音が
耳に響く。

あー先に歩きたくないな
後ろからでいいから
遠くからでいいから
姿がみたかった…

少し歩くスピードを落とした。
こんなに好きなのに
気持ちを伝えられない
自分に嫌気がさしてきた。


< 9 / 23 >

この作品をシェア

pagetop