ホワイトデーまでの賭け(短編)
第1章
【バレンタインの矢で彼のハートを打ち抜こう】
そんなキャッチフレーズが並ぶ大型スーパーの一角で俺は立ち止まっていた。
世の中は男に媚びる女の子たちが、来月に待つホワイトデーの為に沢山の義理チョコを買い、何倍とも言えるお返しを待つ。
俺のイメージはドラマや報道で得た知識だけが渦巻いていた。
そんな俺が何故かこのチョコ売り場から離れられない。
それは一ヵ月前のあの出来事のせいかもしれない………