ホワイトデーまでの賭け(短編)

俺はその場を離れ、仕事の確認をすると営業先に急いだ。


そして、その営業先でもバレンタインやホワイトデー色が漂っている。


仕事が一段落して遅い昼になり、コンビニで買ったおにぎりと缶コーヒーを片手に公園のベンチに腰を下ろした。



「どこもかしこもバレンタインだな」


そうつぶやきながらおにぎりの封を切り一口かぶりついた。


パリッとした海苔の感触が妙にはっきりとしていて、思わず今朝置いて来たダイニングのチョコを思い出させた。



「琴絵のやつ、連絡ひとつないところをみると呆れてものも言えないというところか……」


自然と携帯を手に取り、画面を確認する自分がいた。



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