ホワイトデーまでの賭け(短編)

おにぎりの残りも食べ終え、俺は携帯を握りしめて考えていた。


結婚する前に1度だけ、ホワイトデーにお返しをしたことがある。でも、10年一緒にいるがそれきりプレゼントらしいプレゼントはしていなかった。



それでも琴絵はいつも笑顔で俺の側にいてくれた。


その琴絵が今、俺とは一緒にいられないと言う。


俺の気持ちはどうだろうか?まだ、あいつを大切に思う気持ちはあるはずなんだが………



「くそっ…」


小さく足を踏み鳴らした後で、目をギュッと閉じた。



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