ホワイトデーまでの賭け(短編)

『返事は1ヵ月先のホワイトデーで構いません。ゆっくりと答えを出してください』


あの時の琴絵は、そう言ってチョコをくれた。


そうして、1ヵ月の間に俺は答えを出した。その間は2人の接触は会社で会うと会釈をする程度だった。


「あいつもこんな気持ちで待っていたのかもしれないな。そして今も……」


今さらながら気付く琴絵の心の強さと俺への想いが胸を締め付けてくる。


自分のせいで家庭にいられなかった訳ではないからそれさえクリアできればまた少い休みでも子どもたちとも一緒にいる時間が取れるかもしれない。


そんなことを考える。




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