ホワイトデーまでの賭け(短編)
第2章

ここ1ヵ月の俺は娘たちの顔すらまともに見ていない。

いや、以前からそうだからあまり違和感はないが、寝顔すら会えない日々が続くとやはり心は痛む。


琴絵には離婚を前提に家庭内別居を言い渡されていた。


それでも始めは帰宅していたが、今までの空気とは違い自宅にいても重たい何かに押し潰されそうで、最近では簡易ホテルか流行のマンガ喫茶で夜を過ごす事も多くなっていた。



朝方に家に帰りスーツを変える。それも、琴絵は黙認していて俺には何も言葉がかかることはなかった。




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