ホワイトデーまでの賭け(短編)
そんな琴絵を好きになり、今現在の生活まで至っている。
俺は無意識に琴絵の好きそうなチョコレートをひとつ選び、プレゼント用にと包装を頼んだ。
小さな紙袋に入ったチョコを片手に、俺はそのスーパーを後にした。
「こんなの買ってみたけどどうすりゃいいんだ?」
行く当てのない紙袋を目の高さまで持って来てブランと揺らした。
『とりあえず、今日は着替に帰る日だから家にでも持ち帰るか……』