アネゴの勇気の仮面
子羊逃亡
次々と来る子羊からの相談もおさまったのか、
先生たちは無邪気に写真撮影を始めだした。
組み体操の技を次々とこなし、ウーロンさんに写真を撮らせている。
「ウーロン!早くしてよ!」
「ちょっと、白玉!太ったんじゃない?もっとローカロリーなペンネームに変えたほうがいいわよ!」
名前を改名したところで痩せるわけがない・・・


その時、また電話が鳴った。

リリリー

焼きおにぎり先生が怖いので、すぐにとった。

「はい、こちらあなたのホットライン、アネゴの勇気の仮面です。」

「あの・・・」


シーン。


沈黙。


「あ、あ、アネゴの勇気の仮面ですか??
わ、わ、わたし、初めて電話をしたんですけれども・・・」

20歳ぐらいだろうか?
かわいい感じの女の子だ。
にしても、すごく緊張しているようだ。

「はい。どうされましたか?」

「私は、男性と3回しかデートをしたことがありません。しかも、デートの後はいつも連絡が途絶えるんです。私、無意識に何か変なことでもしてるんでしょうか??
わからないんです。教えてください!!」

「大丈夫ですよ。先生にかわります。少々お待ち下さい。」

と、思ったら、先生たちは、いつの間にかオセロを始めていたようだ。

「せんせーい。子羊です!20歳ぐらいと思われる女の子からです。」

返事がない。
夢中でオセロをしているのだろうか。
聞こえていないようだ。

「もう!先生!どなたからでも構いませんので、電話に出てください!」

ダメだ・・・
全然聞こえてない。

「お待たせしております。申し訳ございません。ただ今、相談が殺到しており、たいへん混み合っております。折り返しお電話させていただいてもよろしいでしょうか?」


プープー
プープー

・・・!!
電話が切れている・・・!!
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