アネゴの勇気の仮面
こんな時はどうすればいいのだろうか。
おそるおそる聞いてみた。

「あのー。電話が切れてしまったんですけれども・・・」

ピタっと先生たちの動きが止まった。

「どういう事?」
眉間にしわがよるオムライス先生。

「まさか子羊からの電話を切ったの?」
陽気だった白玉先生が立ち上がる。

「いえ・・先生におつなぎしようとしたのですが、取り込み中だったのでおりかえしお電話することを伝えたら切れてしまって・・・」

「信じられない・・・」
ウミガメの剥製を持ち上げるスパゲッティ先生

「すぐ捕まえてきて!!」
やっとゲームをやめた焼きおにぎり先生。

っていうか捕まえるって!?
なに言い出すのよ!?
無理に決まってる!

急にあわただしくなる事務所。
どこかに電話をかけだす先生もいれば、パソコンに向かう先生もいる。

立ち尽くす私にウーロンさんが声をかけた。

「警察に電話をかけて」

え・・・。警察?
まさか子羊の捜索のためだけに??
そんな大事件なの!?

ガタン!

焼きおにぎり先生がすごい勢いでイスから立ち上がった。
と、同時に電話をかけ始めた。

どこにかけているのだろうか・・・

「事件です。
子羊がたった今、去りました。
私達に相談してくる勇気ある姫君を逃がしてしまうなんて・・・。
気付かなかった私たちにも非があります。が、主に、主にと申しますと95%ぐらいでしょうか、子羊の依頼を的確に伝えなかった新人のせいであります。反省会で済んだら警察はいりません!!」


えぇーー!?
私のせい!?

居たたまれなくなった私は、無我夢中で事務所を飛び出した。
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