妹なんていらない
4.犬猿の仲
それは夏休みがもう少しで始まる、というころのことだった。
セミが無駄に鳴き、プール開き、海開きがあちこちで行われたときのことだ。
俺は下敷きで顔を扇ぎながら勇人と雑談をしていた。
俺と勇人の雑談は基本的に勇人が話題を振り、それを俺が軽く受け流したりつっこんだりの簡単なものだ。
今日もそんな感じで会話はそれなりに弾んでいた。
美波が好きなのは誰か知らないのか、とか。
(一瞬焦ったがなんとか切り返した)
千鶴は意外にモテる、とか。
(こいつ、年下が好みなんだろうか)
そう、いつも通りだった。
「初めまして、雨宮薫です。
あと数ヶ月と短いですがよろしくお願いします」
こいつが現れるまでは、だが。
セミが無駄に鳴き、プール開き、海開きがあちこちで行われたときのことだ。
俺は下敷きで顔を扇ぎながら勇人と雑談をしていた。
俺と勇人の雑談は基本的に勇人が話題を振り、それを俺が軽く受け流したりつっこんだりの簡単なものだ。
今日もそんな感じで会話はそれなりに弾んでいた。
美波が好きなのは誰か知らないのか、とか。
(一瞬焦ったがなんとか切り返した)
千鶴は意外にモテる、とか。
(こいつ、年下が好みなんだろうか)
そう、いつも通りだった。
「初めまして、雨宮薫です。
あと数ヶ月と短いですがよろしくお願いします」
こいつが現れるまでは、だが。