妹なんていらない
場面変わって家の庭。



食事を終えた俺たちは、勇人が買ってきたのだという花火をすることにした。




「ほら、先輩先輩!

どうですか!?
きれいでしょう!?」



両手に花火を持ち、はしゃぎ回る千鶴。


俺は、それに右手をあげることで応じた。



昼間のように暗い千鶴ではない。


多分、弟の問題は千鶴の中で解決されたのだろう。


それは、とてもいいことだと思えた。



「高橋く………っと、お姫様がお目覚めかな?」



ニヤニヤ笑いながら雨宮が視線を送った先。


そこには、まだ眠たそうに目をこする美波の姿があった。



「あれぇ…?
何で純一がいるの…?」



どうやら寝ぼけているらしい。



よく見ると、目がとろんとしていて、意識が覚醒しているか怪しかった。
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