妹なんていらない
「うーん………」



散々練習し、美波は腕を組みながらうなるような声を上げた。



「やっぱり、結城くんとやらないと緊張感がないわね」



「そこになおりやがれっ!!

今から数学の講義をしてやる!!!」



このやろう、人の貴重な時間を削っておいて無駄だと言うつもりか。


周知の事実だが、あえて言わしてもらう。


俺にとって最高に無駄な時間だったよ!!



「何だか疲れちゃったな…」



「ああ、俺もだ…」



美波があくびをし、俺ががっくりと肩を落とす。


結局何がしたかったんだろうなぁこの妹はよぉ。



「ふわぁ………

もう今日はいいや、おやすみ…」



「ああ、おやすみ…

ちゃんと歯磨いて寝ろよ…」



「わかってるわよ…

じゃあ、明日もよろしくー…」



「……………」



聞いてない!


俺は何も聞いてないぞ!
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