妹なんていらない
「ふうん…ロミオとジュリエットかあ」



美波から一応、というか無理矢理渡された台本をめくり、うんうんうなずく雨宮。


一応、ひとつ屋根の下で暮らしている以上、いつかはばれるだろうがこいつには知られたくなかった…



「でもさ、高橋くんってロミオっぽいかもよ?」



「ほほう、理由を聞こう」



「ジュリエットは死んでないのに死んだと思って勘違いして死ぬあたりとか」



「そこかよ!!

ロミオの死を馬鹿にするつもりはないけど、いくらなんでもそこまでの失敗はしたことねぇよ!!」



「え………ないの?」



「心底意外そうな顔をするな!!

てか、そんな失敗してたら俺死んでるから!!」



「高橋くんは奇跡的に助かるはずだった子供を無駄に助けて死にましたとさ」



「やめろ!!

そんな内容の漫画があった気がする!!」



正確には間違いなくある。


けど、言ったらいろいろ面倒だから自粛しよう。
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