妹なんていらない
「へ、変じゃ…ない?」



「あん?」




変じゃない?


何がだ?



いや、たしかに今のお前は変だ。



もじもじして、頬を赤く染めて、きゃっ♪、だなんていう妹を持った覚えはねぇ。




「わ…私が………男の人をすす…すぅきになること………」




ああ、そういうことか。



んなこと気にするなんて案外こいつ恋愛には奥手?



うわぁ、似合わねぇ…




そんなことを考えながら、目の前に立つ美波に視線をやる。



美波は今にも泣きそうな表情で、俺の返事を待っていた。




そんな顔を見ていると、何だか急にいたたまれない気持ちになった。



ああ、もう、めんどくさい。


大体なんで泣きそうなんだよ?



俺だって泣かせようとか思ってるわけじゃねぇのにさぁ。
< 35 / 317 >

この作品をシェア

pagetop