LIFE IS MONEY…
「向井さんはリクの事なんでも知ってるんだね…」



下を向いちゃ駄目。
アタシが涙を流す資格なんてないんだから…



「甥っ子なんです」



「え?」



「社長の父親は私の兄です」




「そう…なんだ」




「逃げたんですよ。私は…」



「何から?」




「社長になれ。会長の兄は私にそう言いました。でも、勇気がなかった。何万人もの人の上に立つ勇気がなかったんですよ。だから、逃げた。そのしわ寄せが全てリクにいったんです」




向井さんが、リクと呼ぶのを初めて聞いた。
ただの運転手じゃない。
今向井さんは、叔父として話してる。
< 179 / 190 >

この作品をシェア

pagetop