会いたいよ…
「松本椿…
 全部『木』やん」


だから?
見ず知らずの男に
そんなこと言われる
覚えはない。
それより、
私の質問を
聞く気は
ないのだろうか?


「『新人』ですか?」
もう一度問う。
正直、
限界に達していた。
ただでさえ、
1ヶ月ぶりの
レディースデー。
女にとっては
一番過敏で
ナイーブな日。


加えて
細やかな
日常の幸せを
壊されていた。


名乗らない
この男に
苛立ちを覚えたことも
必然的だった
気がする。


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