会いたいよ…
『ナンパ失敗やな』
とでも言うように
透は左側の
口元を軽くあげて
ニヤリと成美を
一瞥する。


『センセー、
これで大丈夫?』
ふと問いかけるように
透が私に
視線を投げ掛ける。


軽く息を吸って
軽く目を閉じる。
そして次の瞬間、
見開いた私の目は
もう成美を
見ていなかった。


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