会いたいよ…

玉葱ぬき

「『なにが?』」
眉間にしわをよせ
成美の言葉を
そっくりそのまま
おうむ返しして
睨み付ける。


それでも成美は
何事もなかったように、
厨房でジュワジュワと
だしと醤油の
芳ばしい香を
楽しんでいた。


正直、
こいつが何を
考えてるのか
全く掴めない。
ついでと言っては
なんだが、
こいつの行き付けも
意味が分からない。
親子丼だ…
確かに鶏肉も卵も
豪華に入っている。
なのに、何か…
何か明らかに足りない。




< 98 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop