赤の疾風


見たことだけなら、何度かあった。


町の、奉行所の傍に寄り添うように建てられている、

罪人の公開処刑場……。



見せしめと銘打ってはいるものの、観衆の中には娯楽として集まっている者も多い。

何故、自分がそんな場所にいるのか。

理由は、すぐに分かった。


「………っ?」


梳菜は、覚えのない白装束に身を包んでいた。



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