赤の疾風


耳を澄ませば、周りに集まった何十何百人という観衆の声が聞こえてくる。



「あんたの父親に、あたしの旦那は殺されたんだ!!」

「この鬼!!化け物!!」


「死んじまえ!!!」



その罵倒の数々によって、梳菜は意識を失う直前に聞かされたことを思い出した。


役人に取り押さえられ、父親の代わりとして懲らしめを受けるよう言われ…そして…、




今が、その時。





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