赤の疾風
「…泣けば許してもらえるとでも思ってるのか…?
まあ、そういう奴ほど、野次馬は喜ぶ。」
梳菜の目から零れた涙の雫が、一滴一滴ござを濡らしていく。
同時に、梳菜は小窪に聞き取れないくらいの声量で、何かを呟いていた。
「……は……から……。」
「…あ?何だ……?」
小窪が、何の気なしに耳を近づけると…、
梳菜は大きく息を吸い込んで、叫んだ。
「っ、わたしは!!
ちっさい頃から、いろんな人に!!
叩かれ、罵られて、きましたッ!!!」
「うぎゃっ!!」