赤の疾風


「ふたつは、拙に…こんな自分に、感謝してくれたことに。」


誰も救えないと思っていた自分が、こうして梳菜に…大切な少女に感謝されている。

それは、萬天が最も望んでいたこと。


そして…



「みっつめは、



拙に、恋をさせてくれてありがとう。」




告げると同時に、萬天は梳菜のその小さな唇に、自身の唇を押し当てた。




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