赤の疾風



……が、物語はそう簡単には終わらせてはくれない。



「待て、餓鬼共ッ!!!」


「「!!」」


さっきまで遠くで伸びていた筈の小窪が、びっこをひきながら二人の前に立ち塞がったではないか。

悪役は二度現れる、というのはこういった状況を指すのである。


いくら萬天と言えど、梳菜を抱えた状態で役人相手に戦うのは容易ではない。



どうしたものかと渋い顔をしていると……、



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