赤の疾風



【萬天様…此処はやつがれに御任せを……。
梳菜殿を連れ、御行き下さい……。】



どこからともなく、奇妙だが気品漂う声が聞こえ、


両者の間に割って入るように、つるべ火の林火が現れた。



奇妙な火の玉の出現に驚かない者はない。

梳菜は目を丸くし、小窪はその数倍目をまん丸にした。


「林火!!……頼む!」


【御意。】



< 142 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop