赤の疾風
途端に、梳菜は自身の金髪を両手で掴み、目に涙を浮かべて叫んだ。
「見んでくださいませ…っ!!
わたしは醜いのです!!
人と違うわたしは醜いのです!!」
叫びながら、爪で頭を強く引っ掻いているのが見えた。
爪に見える赤い液体。
萬天は堪らず梳菜の手を押さえた。
「梳菜、落ち着け!」
萬天が少女の指先を見ると、血と一緒に数本の髪の毛まで千切られている。
それが、余計萬天の胸を締め付けた。
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