赤の疾風



一人の男が、一人の女を愛しむその時。


どちらも、焦がれるような思いを抱いている時でさえ。


何もかもが、双方の思い通りになることは、本来ならば有り得ないことなのだ。



双方の……もしくは、片方の不備によって、全ての物語が打ち砕かれてしまうのも、また然り…。



この浮世という名の病魔が襲っていたのは、萬天だけではなかったということ。



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