赤の疾風



「……そう、確かに死ぬのは怖いだろうの……。」



ふと、薬師の声が低くなった。


言葉からして、梳菜に同情しているのかとも思えたが、

それだけではない。


薬師は緩慢とした動きで手を伸ばすと、


「……だが、仕方のないことじゃ…!!」


「………っ!!」

「あんた、何を……!!!」


突然、梳菜の頭巾を剥ぎ取った。


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