ヴィナス・アプロの伝言(メッセージ)
≪エピローグ≫
「……き……咲っ?」
懐かしい声がする。
右手が、温かい……。
ここは……?
「咲? 大丈夫か?」
ここ、私の部屋だ。
あれっ?
「雄一君?
どうして、ここに?」
ベッドの横のイスから腰を浮かせてる雄一君の姿が見え、思わず訊き返す。
あっ。
右手が温かいと思ったら、雄一君が両手で包み込んでいたんだ。
そう思ってると。