ヴィナス・アプロの伝言(メッセージ)
すると。
咲の隣にいた男子が、何か一言咲に言い、そちらに行き、何かしている。
俺は咲を見た。
なんかちょっと戸惑ってるような、でも笑顔で見守ってる……。
咲の、彼氏?
直感で思った。
俺……遅すぎたんだ。
胸の奥が、ズキン、と痛む。
俺、なんで中学の時、一緒に乗り越える選択をしなかったんだろう?
そうすれば、今もあの笑顔は俺の隣にあったのに……。
今更……だな。
そう。
俺の、自業自得。
俺はその場を離れた。
咲に背中を向け、心の中で言った。
―咲……ずっと好きだった。
……幸せになれよ……。