つよくなれ!!!
その日、あたしは約束通り駅裏の駐車場に行った。

智美がいた。

智美は緊張した面もちで待っていた。


「…今まで、ごめんね。」
あたしの顔色を伺うように見てくる。

また、下を向いてしまう。
弱いな、あたし。

あたしはただ黙ってコンクリートの地面を見ていた。

「あたし、莉紗子に逆らえなくて…。
でも、よ-こと遊ぶの楽しかったし。
莉紗子がいないときなら、わたしたち、会っても大丈夫だよ。
学校では話さないと思うけど、仲直りしよ?」


あのときあたしがどんな顔をしたのかわからないけど

あたしの表情を見た智美はなんだか怯えていた。


『莉紗子がいないときなら』?
『学校では話さない』?
なんで?

じゃあ莉紗子がいるときは?
学校ではまた無視するの?


智美の気持ちが分からないんじゃない。でも、都合が良すぎるよ。そんなの友達じゃない。

いらない。

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